慌ただしい首都で日々を送る池貝氏は、都内各地の寺社で不滅の美を満喫して、つかの間の休息を取ります。同氏のお気に入りエリアである青山から少し歩くと、明治神宮(渋谷区代々木神園町1-1、03 3379 5511)があります。1920年に創建されたこの神社は、人工の森の中に位置する比較的新しいオアシス。造園家の本多静六氏は刻々と変化する気候や土壌に適応する木々を植えるため、森の生態を考慮した造成計画を立てました。東京で最初の「永遠の森」の造成にあたっては、全国各地から約17万本245種の常緑樹が寄贈されたそうです。入口には高さ12mという日本有数の大鳥居があり、この鳥居には樹齢1,500年の檜が使われています。増上寺(港区芝公園4-7-35、03 3432 1431)を訪れる際には、三解脱門から入ると東京タワーとの美しいコラボレーションが楽しめます。三解脱門は1622年の建立当時のまま残っている唯一の建造物です。寺の建物の多くは第二次世界大戦中に空襲で消失し、後に再建されました。参拝者は門の3つの通路を通ることで、3つの煩悩(貪り、怒り、おろかさ)を解脱できるという言い伝えがあります。
深川不動(江東区富岡1-17-13、03 3641 8288)は、歴史と現代が交差する興味深い寺院。2012年に新本堂が建立され、特徴のある直方体の建物が隣の旧本堂(第二次世界大戦後に1881年の建立当時の姿を元に再建)と際立ったコントラストをなしています。新本堂の中の「祈りの回廊」もぜひ通ってみてください。ここには不動明王像が納められたクリスタルの五輪塔が1万基も並んでいます。毎日行われる護摩に参加してみるのもいいでしょう。大きく鳴り響く太鼓は迫力満点です。池貝氏は、違う視点で寺院を満喫するには日没後に訪れると良いと言います。「お堂の中は見られませんが、月光の下で静寂に身を任せ、活気ある日中とは異なる雰囲気を感じることができます。」